毎朝、朝立ちをしているか確認することはありますか。
その日によって、勃起していたり、していなかったりするため、あまり意識をすることではないかもしれません。
しかし、朝立ちは男性にとって健康バロメーターともいえる現象であり、勃起していないのであれば、それは身体の異変を知らせる合図かもしれません。
今回は、なぜ朝立ちが男性の健康バロメーターになるのか、また勃起を継続する方法についても紹介していきます。
朝立ちする原因
「朝立ち」と聞くと、目覚める直前に勃起することだと思ってしまいますが、実は寝起きだけに起きる現象ではありません。
朝立ちは、寝ている間に何度も勃起する現象であり、正式名称は「夜間陰茎勃起現象」といって、睡眠と密接な関係があります。
睡眠と朝立ちの関係
人間は眠っている間、深い眠りの「ノンレム睡眠」、浅い眠りの「レム睡眠」の2つを交互に繰り返しています。
そして、勃起はレム睡眠の時に起きる現象のため、レム睡眠の状態から覚醒すると朝立ちをしている可能性があります。
ノンレム睡眠とレム睡眠のサイクルは、体質や年齢などによって個人差がありますが、70~120分程度の幅があるといわれています。
つまり、男性は一晩で4~5回ほど勃起していることになります。
自律神経による血管のコントロール
自律神経には、活発な時に優位になる交感神経と、リラックスしている時に優位になる副交感神経があります。
また、血管をコントロールする役割もあり、交感神経によって収縮する作用が働き、副交感神経によって拡張する作用が働きます。
血管が広がることで、ペニスに血液をスムーズに送ることができ、勃起しやすくなります。
そのため、睡眠時に副交感神経が優位になっていることは、勃起するための条件になります。
テストステロンの分泌
男性ホルモンの「テストステロン」は勃起を促す働きがありますが、その多くは睡眠中に分泌されていきます。
正常にテストステロンを分泌させるためには、良質な睡眠をとることが重要になってきます。
摩擦によって
パジャマやシーツなどとペニスが摩擦することも勃起する原因の一つになります。
朝立ちと健康の関係

朝立ちは男性の生理現象の一つですが、きちんと勃起させるためには、良質な睡眠をとることが不可欠になってきます。
良質な睡眠をとるためには、毎日の生活が安定していることが重要になってきます。
つまり、朝立ちをしていることは、健康な生活を送れている証明になります。
生活リズムが安定している
不規則な生活をしていると、体内時計が狂ってしまい、睡眠の質を低下させる原因になります。
眠っている間に、身体の疲れをとったり、記憶を定着させたりするレム睡眠と、脳の疲れをとるノンレム睡眠が交互に繰り返されますが、体内時計の乱れによって、このサイクルの切り替えに悪影響が出てしまうからです。
睡眠のサイクルが乱れてしまうと、熟睡できなくなり、やがて勃起をしなくなる可能性があります。
朝立ちができているということは、安定した生活リズムができている、ということにもなります。
身体のメンテナンスができている
良質な睡眠がとれていると、副交感神経が優位になり、筋肉の緊張がほぐれていきます。
血管の周りの筋肉も緩むため、血流が良くなり、勃起しやすくなります。
そして、血流が良くなるということは、全身に血液を行き渡らせることができるため、勃起以外にも様々なメリットがあります。
血液には、全身の細胞に栄養を届けたり、老廃物を回収したりする効果もあり、身体の修復や疲労回復の役割も持っています。
つまり、朝立ちをしているということは、寝ている間にちゃんと身体のメンテナンスができている、ということにもなります。
ホルモンが正常に分泌されている
男性ホルモンの「テストステロン」は性欲に大きく関係してきますが、良質な睡眠によってテストステロンが正常に分泌されるため、しっかりと勃起することができます。
また、睡眠中にはテストステロン以外にも、免疫力の向上やアンチエイジングの役割がある「成長ホルモン」も分泌されます。
そのため、朝立ちをしていることは、男性ホルモンや成長ホルモンが正常に分泌されていることも意味します。
朝立ちをする理由
朝立ちは睡眠中に何度も勃起する生理現象ですが、そもそもなぜ男性にはこのようなことが起きるのでしょうか。
実は、朝立ちは男性としての機能を維持するため、寝ている間、身体が自動的にペニスを勃起させている本能的な活動になります。
勃起する筋力を維持するため
筋肉は使わないと衰えてしまうため、維持するには筋トレなどで鍛えていく必要があります。
勃起するためには、別名「PC筋」とも呼ばれる骨盤底筋や、大殿筋などの様々な筋肉を使いますが、それらの筋肉も使わなければ当然衰えてしまいます。
つまり、長期にわたって勃起をしない状態が続くと、これらの筋力が衰えてしまい、勃起できなくなってしまう可能性があります。
同様に、海綿体も勃起しないことが続いてしまうと萎縮していきます。
それらを防止するため男性には「朝立ち」というシステムが働いているわけです。
正常な射精を行うため
骨盤底筋は、勃起だけではなく、射精する時にも必要な筋肉になります。
トレーニングによって、射精の勢いが強化されることに加えて、早漏改善の効果も期待できます。
また、射精回数を増やすことで、前立腺がん予防の効果があることもわかっています。
男性はいつからいつまで朝立ちをするのか
朝立ちの始まり
勃起自体は、男性が赤ん坊の頃から起きている生理現象になりますが、朝立ちが始まるのは12歳頃といわれています。
個人差はありますが、男性はこの時期にテストステロンの生産量が増える「二次性徴」が始まり、ペニスの増大や陰毛の発育、声変わりなどと同じく、朝立ちも起きるようになります。
朝立ちの終わり
思春期に始まる朝立ちですが、その後もテストステロンの強い影響を受けながら続いていきます。
テストステロンの分泌は20代の頃がピークになりますが、加齢によって徐々に減っていき、70代になると、分泌量が20代の半分程度になってしまいます。
テストステロンの減少にともなって、朝立ちの頻度は減ってきますが、まったく朝立ちをしなくなってしまったということは、加齢以外に原因がある可能性も考えられます。
朝立ちをしなくなる原因
テストステロンの大幅な減少
20代のテストステロン分泌量の標準値は16.8pg/mlですが、40代になると13.7pg/mlになり、加齢とともに緩やかに減少していきます。
しかし、テストステロンは加齢以外にも、職場の人間関係や環境の変化などによって大きなストレスを受けることで、大幅に減少してしまう可能性があります。
大幅に減ってしまった場合、男性の心身に悪影響を与えることになります。
身体面への影響
テストステロンは性機能と密接な関係があるため、大幅に減少してしまうと、勃起力や精液の生産能力の低下を引き起こす可能性があります。
また、テストステロンは筋肉や骨の成長を促すことや、体脂肪を減らす役割もあり、男性らしい体型を作るために必要なホルモンになります。
そのため、テストステロンが減少することは、筋肉が衰えて基礎代謝が下がり、脂肪が増えやすい体質になってしまう要因にもなります。
メンタル面への影響
男らしい男性とは、「決断力」や「行動力」などに優れた男性をイメージすると思います。
テストステロンが分泌されることで、不安や焦りなどのネガティブな感情を抑えて、集中力や意欲などのポジティブな感情を生み出すことができます。
その結果、バイタリティー溢れる男性として活動することができるようになります。
テストステロンが減少することは、男性としての自信や魅力を失ってしまうことにつながってしまいます。
生活習慣の乱れ
朝立ちにはテストステロンが大きく関与していますが、生活習慣の中にも朝立ちをしなくなる原因は数多く存在しています。
肥満
テストステロンが減少することで、肥満になる可能性は高くなりますが、逆に肥満が原因でテストステロンが減少してしまう恐れがあることも指摘されています。
肥満によって、「プロラクチン」というホルモンが大量に分泌される「高プロラクチン血症」になってしまう可能性があるためです。
プロラクチンは、射精後などに分泌されるホルモンで、テストステロンを低下させる働きがあり、勃起や朝立ちを抑制してしまいます。
運動習慣がない
運動不足によって血行が悪くなってしまい、ペニスに十分な血液を送り込めなくなる可能性があります。
また、アメリカの医療従事者向けに発表された研究によると、「週に2.5時間ランニングする習慣がある人たちは、そうでない人たちと比べてEDになるリスクが30%軽減した」と報告されています。
このことからも、運動習慣がないことは勃起をしにくくなる原因の一つと考えられます。
喫煙
タバコに含まれるニコチンや一酸化炭素によって、血管が収縮されてしまい、勃起が阻害されてしまう可能性があります。
さらに、男性は喫煙することで勃起だけでなく、精子の濃度や運動量の低下を招いてしまうため、受精率や妊娠率を下げてしまうことも考えられます。
飲酒
お酒は適量であれば、血行改善の効果が期待できますが、飲み過ぎてしまうと、性欲を抑制してしまい、勃起の妨げになってしまいます。
また、飲酒を重ねた結果、肝機能が低下してしまうことも、勃起不全を引き起こす原因にもなってしまいます。
さらに、重度の肝機能障害の場合は、バイアグラなどのED治療薬の服用ができなくなってしまう可能性があります。
朝立ちしないときに疑う病気
朝立ちは健康バロメーターになりますが、朝立ちをしないことでどんな病気になっている可能性があるのでしょうか。
勃起しないことで疑われる病気について紹介していきます。
ED(勃起不全・勃起障害)
正常に勃起しない場合、まっさきに疑われるのがEDになります。
アメリカ国立衛生研究所によると、EDの定義は「満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られないか、または維持できない状態が持続または再発すること」とされています。
つまり、完全に勃起しない状態だけを示すのではなく、いわゆる「中折れ」もEDの対象になってしまいます。
さらに、勃起不全になっているということは、様々な病気を患っている可能性もあります。
男性の更年期障害
勃起不全を引き起こす原因として「男性の更年期障害」が考えられます。
男性の更年期障害は、テストステロンの分泌の低下が原因になりますが、勃起障害以外にも、集中力や判断力の低下、疲れやすくなるなどの症状があります。
テストステロンの分泌は20代の頃がピークとなり、徐々に減少していくため、40代後半から更年期障害を発症する男性が多くなっていきます。。
また、職場の人間関係などの大きなストレスによって、テストステロンが著しく減少してしまうことなども発症の原因になります。
さらに、うつ病などにもつながってしまう可能性があるので注意が必要です。
生活習慣病
EDの症状が出た場合、「生活習慣病」の予備軍と考えた方がいいかもしれません。
生活習慣病は、日常生活を起因として発症する病気ですが、代表的なものは「糖尿病」や「高血圧症」、「脂質異常症(高脂血症)」などがあります。
糖尿病
糖尿病には「1型」と「2型」がありますが、生活習慣が原因で発症するのは「2型」になります。
糖質の取り過ぎや運動不足が原因で、すい臓から「インスリン」が正常に分泌されなくなり、血糖値が上がったままになってしまいます。
ドロドロの血液によって血管が痛むため、動脈硬化を始めとした様々な合併症を引き起こしてしまいます。
ペニスの海綿体の毛細血管は、全身の血管の中でも特に細いため、動脈硬化による血行不良の影響を受けやすく、勃起不全になる可能性が高まります。
高血圧症
過剰な塩分の摂取や飲酒、大きなストレスなどが原因で、血圧が高い状態のままになってしまう病気です。
糖尿病と同じく、動脈硬化の原因となるため、ペニスに十分な血液を送ることができなくなり、勃起不全につながってしまいます。
また、心筋梗塞や脳卒中、腎臓病などの重大な病気の引き金にもなります。
脂質異常症(高脂血症)
血液中のコレステロールや脂質が多くなってしまい、血管の内壁を傷つけてしまうため、動脈硬化を起こし、勃起不全の原因となります。
他の生活習慣病と同様に、脳梗塞や狭心症などが発症するリスクも高まります。
また、糖尿病を患っている人は、脂質異常症になりやすくなります。
朝立ちしないときの治療方法
テストステロン注射
減少してしまったテストステロンを注射によって補充する治療する方法です。
注意点として、体質等によっては肝機能障害や多血症、脂質代謝異常などの副作用が起きる可能性があります。
医師と相談し、事前検査などでリスクを確認した上で、治療を進める必要があります。
ED治療薬
ED治療薬は、「医療用医薬品」に分類されるため、医師の診察と処方箋が必要になってきます。
有名なED治療薬はバイアグラがありますが、これらは勃起を妨げる「PDE5」という酵素を抑制するため「PDE5阻害薬」と呼ばれます。
生活習慣の見直し
良質な睡眠をとる
睡眠と朝立ちは密接な関係があります。
良質な睡眠をとることによって、副交感神経が優位になり、勃起のために必要な血液をペニスに供給することができ、テストステロンも正常に分泌されます
快適な睡眠のため、生活習慣を整えましょう。
適度な運動や筋トレ
スクワットなどでPC筋を始めとした下半身の筋肉を鍛えることは、勃起を維持するのに有効な手段となります。
また、ジョギングなどの有酸素運動も血行が良くなり、勃起力の強化が期待できます。
食事
亜鉛には、テストステロンの分泌を促す効果があるため、勃起力アップが期待できます。
魚介類トップクラスの含有量の牡蠣をはじめ、うなぎや山芋などにも豊富に含まれています。
アルギニンは、血管を拡張させる働きがあるため、勃起を助ける効果が期待でき、カツオや鶏のむね肉、ナッツ類などから摂取することができます。
シトルリンも、血行改善の効果が期待できる成分になり、スイカやキュウリ、メロンなどのウリ科の食材に豊富に含まれています。
精力サプリ
食事だけで必要な栄養を全て摂るのは難しいかもしれません。
その場合は、必要に応じて精力サプリによって補うことも重要です。
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まとめ
普段から、朝立ちを気にしている人は少ないかもしれません。
しかし、朝立ちは男性にとって健康であるかどうかの大切な「バロメーター」になります。
良質な睡眠をとったり、食生活を見直したりすることで生活習慣を整えて、いつまでも元気に朝立ちができる男性を目指しましょう!