レビトラ(バルデナフィル)は、勃起不全(ED)の治療のために服用する経口薬です。バイアグラやシアリスと、同じED治療薬です。
しかし、レビトラは他の一般的なED治療薬と比較してどうなのでしょうか?ED治療にどのように使われるのか、他の薬との比較や、副作用や注意点などについてご紹介します。
レビトラの注意点
レビトラは、2021年10月に販売元のバイエルファーマナビで販売中止を発表しました。
中止の理由は、ドイツ工場での次回の生産・納入の見通しが立たず、今後の安定供給の確保が困難なためです。
なお、薬剤自体に問題はありません。
また、レビトラの変更は、国内正規品のレビトラジェネリック(バルデナフィル錠)が推奨されています。
レビトラのED効果
レビトラはバイアグラやシアリスと同様に、ホスホジエステラーゼ5型(PDE5)阻害薬と言われるものです。
これらの薬は、EDが起こる理由の一部であるPDE5と呼ばれる酵素を、体内でブロックさせることでED改善します。
ここでは、レビトラがどのようにEDに役立っているのか説明します。
一般的に、勃起はペニスの神経が触覚によって刺激されたときに起こり始めます。そして、一酸化窒素(NO)が放出され、平滑筋が弛緩し始め、海綿体に血液が流れ込むのを助ける物質を発生させます。これは、ペニスの上部に沿って走るスポンジ状の円筒形の組織で、2本の太い血管の部分です。この血流が、最終的にペニスを成長させ、硬くさせるのです。
EDの場合、ペニスと脳の間で一酸化窒素が放出され、筋肉が弛緩するための信号が、神経によって適切に伝達されなくなります。その結果、血液が陰茎に流れ込まれず、勃起することができないのです。また、PDE5酵素の過剰な活性化により、一酸化窒素が放出する勃起を助ける物質がすぐに分解され、陰茎の平滑筋が弛緩しにくくなるため、勃起しにくくなるのです。
レビトラは、PDE5をブロックし、陰茎の平滑筋を弛緩させることができるようにします。すると、血液が陰茎の組織に流れ込みやすくなり、勃起することができます。
レビトラの効果に関する研究
レビトラだけでなく、一般的なPDE5阻害剤の効果に関する多くの研究があります。
レビトラに関する研究で、この薬は、EDの人が性的刺激を受けたときに、素早く確実に勃起し、満足のいくセックスができるほど長く持続することを助けるために一般的に効果的であることを発見しました。
レビューではまた、レビトラは特に以下の原因による勃起不全の人に有用であると指摘されています。
糖尿病
高血圧
脂質異常症(血液中の脂肪の量が多い)
レビトラは「即効性」があることでも知られています。平均して、レビトラを使用した人は、1時間以内に効き始めると報告しています。
また、ほとんどの人が服用後、最大5時間まで勃起を継続できると報告しています。これは、レビトラが汗や尿を通して体外に出始める前に、この程度の時間、血流に留まるためです。
レビトラと他のED治療薬との比較
レビトラはバイアグラ、シアリスなどの他のPDE5阻害剤と似ていますが、服用スケジュールと持続時間が異なります。
ここでは、レビトラがこれらの他の一般的なED治療薬と比較してどのように位置づけられるか説明します。あなたの健康全般とライフスタイル、特に性行為に関して、どれが最も効果的かわからない場合は、医師に相談してください。
比較表
レビトラの用法・用量と使用方法
レビトラは10mgまたは20mgの経口錠として服用します。
性行為の約1時間前に服用すると、刺激を受けてから、より良い効果が期待できます。
レビトラは、性行為をする直前に1日1回だけ服用する必要があります。1日1回以上性行為をしたい場合は、より効果的なED治療薬について医師に尋ねてください。
レビトラの副作用
レビトラの副作用として考えられるものは以下の通りです。
鼻づまり
頭痛
めまい
腹痛
紅潮と赤み
腰の痛み
目のかすみや、片目または両目の視力を失うことも、レビトラや他の一般的なED治療薬の副作用としてまれに報告されています。
薬物相互作用
レビトラは、特定の薬と相互作用し、危険な副作用を引き起こす可能性もあります。PDE5阻害剤と全く併用できない薬もありますが、低用量であればレビトラとの併用が可能な薬もあります。
以下の薬を服用している場合は、レビトラを服用しないでください。
他のPDE5阻害剤
ニトログリセリン
亜硝酸アミル
硝酸イソソルビド
ニコランジル
リオシグアト(アデムパス)
リトナビル
ノービア
インジナビル
クリキシバン
アタザナビル
ホスアンプレナビル
サキナビルメシル酸塩
イトラコナゾール
テラプレビル
ダルナビル
コビシスタット
キニジン
プロカインアミド
アミオダロン
レビトラを服用する際の注意事項
条件やライフスタイルによっては、レビトラや他のPDE5阻害剤を使用することが危険な場合があります。
18歳未満の子供と妊娠中の人は、いかなる理由でもレビトラを服用してはいけません。65歳以上の方も、副作用のリスクを下げるために、レビトラの投与量を減らすことについて医師に相談する必要があるかもしれません。
レビトラによる他の副作用
飲酒(めまいや気絶の可能性が高くなります)。
グレープフルーツジュースを飲む。
以下の症状と診断されている場合は、レビトラを服用しないようにしてください。
高血圧
心臓発作
脳卒中
肝機能の低下または喪失
ペイロニー病や海綿体繊維症などの疾患によるペニスの異常な形状
前立腺の状態
レビトラの長所と短所
長所
服用後、すぐに効果が現れます。
空腹時の方がより効果的な場合があります。
副作用のリスクが高いバイアグラより、飲みやすいと報告があります。
多くのユーザーは、1日の1回飲んだだけで、非常に硬い勃起を経験しています。
短所
他のPDE5 阻害剤のように、1 日 1 回のみの服用しかできません。
頭痛や視力の変化などの副作用を発生することがあります。
急に体重増えたり、減ったりした場合、効果が弱くなる可能性があります。
勃起の開始は1時間から3時間と大きく異なることがあります。
肥満や栄養不足など、勃起が長続きしないことがあります。
顔面紅潮、鼻づまり、胃痛などの副作用が多くみられます。
その他の選択肢
レビトラは、唯一のED治療法ではありません。レビトラの服用と並行して、以下のような食事やライフスタイルの変更も、ED症状の治療には考えてもよいでしょう。
アルコールの使用を減らすか止める
喫煙を減らす、またはやめる
健康的な体重を維持する
毎晩、一定の時間に十分な睡眠をとる(6~9時間)。
1日15~20分の定期的な運動、特に血液中の酸素濃度を高めるランニングや水泳などの有酸素運動をする。